日本マイクロソフトさんに聞いてみました その3
Xbox Series X/S、日本でも北米と同時発売決定・Tokyo Game Show2020参加・Xbox Series Sの突然の値下げなど、日本のXboxを取り巻く状況は話題に事欠かない日が続きました。
そこでハコイチバでは日本マイクロソフトさんに3度目のメールインタビューを依頼し、返答いただけましたのでこちらでご紹介いたします。
現時点で気になることをファン目線でぶつけてみましたが、みなさんの感想はいかがでしょうか?
今回、メールインタビューにお答えいただけたのは、おなじみの
日本マイクロソフト株式会社 コンシューマー事業本部 シニア カテゴリー マネージャー 及部高宏 さんです。
大量の質問にお答えいただきありがとうございます!
インタビュー依頼日 2020/09/29
○Xbox Series X/S発売・予約に関して
Q:Xbox Series X/S、日本国内でも同時発売おめでとうございます。
この同時発売に関して苦労したこと、裏話などありますか?
A:米国本社でも、各国ほぼ同時で発売することを前提に計画していたこともあり、比較的順調に準備を進めることができましたが、今年はCOVID-19 等の関係で、E3などの大型イベント が中止となり、常に予定通りには進まないものだと痛感しています。
しかし、良い意味で皆さんに注目いただいたということであれば担当冥利に尽きると考えています。
Q:Xbox Series X/Sの予約完売おめでとうございます。手ごたえはいかがですか?
また、SNSなどの意見では公式ストアのエラーや各販売店での販売方式の不明瞭さなど若干のトラブルも見受けられましたが、このあたりに関しても教えて下さい。
A:弊社からの予約情報とりまとめが遅くなりご迷惑をお掛けしました。
当初情報をいただいた際の予約開始時間および方法が、予想以上の反響により販売店様から直前になって変更をいただいて情報更新させていただくなどありましたが、販売店様から、迅速かつ多大なご協力をいただけたことも大変感謝をしております。
MS-Store の不具合については今後の課題として担当チームに申し送らせていただきます。
Q:11/10のXbox Series X/S発売までに再予約受付の可能性はありますか?
量販店の店頭予約などを見ても我々の予想を超える数を日本向けに用意いただいた感じはしています。
ですが、Xbox Oneの時に離れていた旧来のファンも戻ってきているようで、まだまだ本体が不足している印象があります。
A:今後の予約、発売方法については販売店様にお問い合わせください。
○TOKYO GAME SHOW 2020について
Q:TGS2020お疲れさまでした。ビデオプレゼンという形式のためご苦労もあったと思います。
当日までの経緯や裏話・苦労話など教えていただけますか?
A:今回は海外のチームとの連携して番組を制作した経緯もあり、新しい方法で番組を制作させていただきました。
その中で、本社および制作チームも東京ゲームショウの番組である以上、日本の皆さんに我々のメッセージを届けるにはどうしたら良いだろう、と担当者を巻き込み、最終的にはフィル・スペンサーから番組内で クラウドゲーミングに関する新規発表や、Flight Simulator の最初のアップデートを日本にするなどの発表を行わせていただきました。
Q:TGS直前のXbox Series Sの値下げには大変驚かされました。
他メディアでフィル・スペンサー氏も触れていましたが、日本マイクロソフトさんとしてこの決断に関わった部分があれば教えて下さい。
A:Xbox Series S は、次世代のロード時間の短縮やクイック レジュームなどの基本機能はそのままに、HD TV に最適なパフォーマンスのお求めやすい製品としてより多くの皆さんにお届けする使命があります。
その中で、お求めやすい価格設定ということついて重ねて議論を継続していた結果、直前ではありますが改定を実施させていただきました。
Q:TGSの放送告知に使われていたXboxデザインをまとった女性キャラのイラストが話題になっていました。
こちらのキャラについてキャラの情報(名前はありますか?)や産み出された経緯・今後の展開など教えていただけますか?
個人的にはこちらのキャラでVtuberデビュー・インサイドXBOX復活など期待してしまいますがいかがでしょう。
さらにXbox Series Xのキャラも期待していますがいかがでしょう?
A:イメージ キャラクターについては、東京ゲームショウという特性を良い意味で解釈した海外のチームがキャラクターを提案してきました。
普段はえ?何このキャラ・・・と思うような提案も来ることがあるのですが、今回は即答で登場させたい旨チームに連絡したのを覚えています。
今後さまざまなところでこのキャラクターが登場する予定はありませんが、ファンの皆さんに喜んでいただけるような企画としても今後検討させていただきます。
○Xbox Series X/S本体の機能・サービスなどに関して
Q:Xbox Series X/Sは次世代機であると同時にこれまでのMicrosoftのゲーミングの集大成をつかさどるマシンだと思います。
互換対応ゲームについては今後も拡充されるのでしょうか?
特に互換未対応の初代・360世代の国産ゲームのファンは多いと思います。
A:具体的なタイトル、時期は未定ですが後方互換機能で対応するゲームは今後も拡充される予定です。
Q:日本マイクロソフトの皆さんはXbox Series X/Sに触ってみて実際どう感じましたか?
1人のゲーマーとしての率直なご意見をいただければと思います。
またこれはXbox Series X/Sで自分の一押しの機能だ!というものを教えて下さい。
A:開発会社様を担当する部門ではない私の所属部門には、そろそろ実機が届く頃だと思うので、私も楽しみにしています。
さまざまな機能の動作を実際自分でも確かめたいと思います。
Q:2021年上半期にクラウドゲーミングサービスProject xCloudの日本展開が確定とのこと、おめでとうございます。
Project xCloudはXbox Game Passを中心にすえた戦略において欠かせないサービスだと思いますが、日本での実現に関してご苦労されたことなどありますか?
A:仰るように、現状Xbox Game Pass を中心にさまざまなサービスを連携、追加している最中なので、まずはお客様からも待ち望まれていた Xbox Game Pass が4月より日本でサービス開始ができたことが大きいと思っています。
今後も Xbox Game Pass にご期待ください。
Q:Xbox Game PassはXboxビジネスの根幹となるものですが日本での加入状況はいかがでしょうか?
また反響などはありますか?(私の観測範囲ではEA Play, Bethesdaの件含め大好評です)
A:個別の国や地域についての情報は答えかねますが、着実により多くの皆さんに知っていただけるようになり加入者数は伸びています。
初月100円で加入できるので是非 Xbox Game Pass Ultimate をご体験ください。
○その他
・海外で展開中のXboxデザインラボは一旦お休みして新しいシステムとして生まれ変わるとお聞きしました。
その際日本での展開についてはいかがでしょうか?(毎回質問してもうしわけないですが)
A:現時点でご案内できる情報はありません。
Q:同じくXboxオールアクセスの日本展開に向けてもお話し頂けることがあればお願いします。
A:現時点でご案内できる情報はありません。
Q:Xboxのアジア地域展開に関して動きはありましたか?
最近SNSでJeremy Hinton氏を良くお見掛けします。
今後の日本のXboxの展開においてどのような影響があるのでしょうか。
A:アジア各国でも Xbox Cloud Gaming、Xbox Game Pass、Xbox All Access など徐々に展開を拡大しています。
Jeremy Hinton はアジアのマーケティング戦略などを統括する立場のため、イベントやインタビューで目にすることが今後もあると思いますのでご注目いただければと思います。
Q:日本のXboxユーザーが望んでいる『Xbox Game Studios製のゲームの日本語吹き替えローカライズ』に関してXbox Series X/Sではどのような展開をお考えですか?
Xbox Insider Hubなどでもローカライズに関するアンケートが多いようです。
A:ゲーム タイトル個々の日本語対応についてはさまざまな要素により決定されます。
今後の発表をお待ちください。
Q:Microsoftストアのデザイン変更がなされました。
とてもスタイリッシュかつわかりやすく、その上動作が軽くなっていて驚きました。
ただあえて言わせていただくならば、英語字幕のみのゲームもあるのでストアに対応言語の表示があると購入時に助かるのですがいかがでしょうか?
A:フィードバックありがとうございます。
各チームに申し送らせていただきます。
Q:最近パッケージ版のソフト販売が復活しつつあります。
私もつい嬉しくてOri and Will of The WispsやMinecraft Dungeonsなど購入しました。
こちらに関しても何か狙いがあるのでしょうか?
またXbox Oneの時はIARCレーティングを採用することで海外のソフトを大量に国内ストアで販売していましたが、パッケージ版となるとCEROとの兼ね合いもあるので、国内での販売ソフトの数に影響が出たりといったことはあるのでしょうか?
A:デジタル版の販売比率が急速に上昇している中、それでも一定の需要がパッケージ版にはあります。
比較的お子様が対象に入るようなゲームについては、パッケージ版も発売し、クレジットカードでオンライン購入ではなく、店頭でパッケージ版を購入できるようにご用意させていただきましたが、パッケージ版販売有無についてはタイトルごとに異なります。
Q:周辺機器、特にヘッドセットなども日本国内ではXboxに対応していないものが多いです。(Astroなど)このあたりの環境改善もお願いしたいのですが、周辺機器メーカーさんの協力体制はXbox Series X/Sでどのようになるでしょうか?
A:他社製周辺機器 (サードパーティー アクセサリー) などはそれぞれメーカー様のご意向もありますので一概にはご回答難しいですが、Hori 様と連携して日本でも選択肢を提供させていただいたように、今後もより連携を強化して皆様にご紹介できるよう活動していきます。
Q:最後に日本のXboxユーザーのみなさんにコメントをお願いします。
A:日頃から Xbox への応援ありがとうございます。
以前から Xbox ファンだった皆さんも、今回の発表で Xbox Series X|S に興味を持たれた皆さんも、新世代のゲーム機と Xbox Game Pass などのサービスが連携した時にどのようなゲーム体験が実現するのか、ゲームの世界全体にマイクロソフトが何を提供しようとしているのか、是非皆さんの目で確かめていただければと思います。
11月10日 Xbox Series X|S は発売されますが、それ以降もさまざまな展開を予定しているので是非ご期待ください!
以上となります。
いかがでしたでしょうか?
個人的には、Xbox Oneのころと比べて、確実に何かが変わりつつある・変わっているような印象を強く感じました。
アジア地域のマーケティング統括であるJeremy Hinton氏の存在と日本マイクロソフトのコンシューマ事業部のみなさんとの連携はとても頼もしく感じます。
来年の焦点となるであろうProject xCloudに関しても、Xbox Game Passを日本で実現できたということが大きな後押しとなっているようです。
一方、日本のXbox Game Passはクレジットカード決済のサービスということもあり未成年の方にはハードルの高い状況であることも鑑み、主に全年齢向けのゲームに関してはパッケージ版を用意して幅広い層のゲーマーが店頭で手に取ることができるようにという配慮もあります。
今後のXbox Series X/S世代の広報活動においてもこのあたりの考えが適用されるとなれば、Xbox Oneの時よりも多様な戦略が取られる可能性があるのではないでしょうか。
その一つが今回のTGS2020出展だったのかもしれません。(ご担当の及部さんは相当ご苦労があったようです。ありがとうございます)
今後も日本マイクロソフトさんには期待していきたいですね。
追記:
個人的に一番びっくりしたのはTGS2020のあの女性キャラが海外チームからの発案であったということです。
てっきり日本国内からの提案かと思いました(笑)
インタビュー・執筆担当:ナヴェ
記事作成日:2020/10/08